干物ハニーと冷酷ダーリン


今日は、朝っぱらから久留米先生のアパートに赴き、何とか部屋へあげてもらい進行状況の確認とネームをもぎ取ってきて、編集部に着いたのはお昼頃になってからだった。




「おはようございます」



来週が入稿日とあって、ほとんどの人がデスクで撃沈している。

そんな中、ただ1人。
多分、今回もギリギリのくせに無駄に元気がよさそうな黒崎さん。



『おはよう、川本。待ってたよ』


「………、黒崎さん。お昼行きます?」



昨日の事が、聞きたい。と顔に書いてある黒崎さん。


そんな黒崎さんとランチを食べるべく再び外へと繰り出した。


出版社御用達、近くの定食屋で日替わりランチを注文する。

今日は、ハムカツ定食。

早い、安い、旨い。が売りなだけに注文して出てくる時間がとてつもなく早い。


『で?どうだった?水城に聞いても、全然教えてくれなくてさぁ』


ハムカツを頬張りながらの恋ばな。
まるで、高校生の思春期ランチタイムさながらだ。




「昨日の今日で黒崎さんの思っているような展開はないですよ。ただ水城さんを恋愛対象として見てみる事から始めました」



『で?』



「で?、、、って。それだけですけど?」



何故か、黒崎さんと見つめ合い一つ息をついてお互いにお味噌汁をすする。


ワカメのお味噌汁、おいしい。




< 279 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop