干物ハニーと冷酷ダーリン
『………足』
「すみません!」
伸びきった足をすぐ引っ込めた。
怖い。
邪魔にならないように、出来るだけ体を丸める。
さぁ、早くコーヒーでも買って編集部にお戻りを!
と、思っているあたしの横にあろうことか鬼編集長は空気を読まずにコーヒー片手に座る。
と、同時に黒崎さんの言葉が脳内を駆け巡る。
あざとく、隙あれば、恋する乙女モードオン。
隙あれば、隙あれば、、、、、。
この事か!!!!
「水城さん!!!付き合いましょう!」
『……………脈絡を話せ』
黒崎さん、失敗です。
隙あればを実行し、昼間のアドバイス通り、捕まえておこうと告白したら冷静に指摘されました。
「あっ、はい。あのですね、、、、」
何故、昨日の今日でそう思ったのか。
何故、そう思うようになったのか。
そして、何故このタイミングだったのか。
それは、尋問ばりに一問一答を繰り返すと水城さんは随分と盛大なため息を吐き出した。
『お前は、それでいいのか?』
「……はい。多分、あたしは水城さんが好きなんだと思います。けど、それを多分じゃなくて確証にしたいんです。…………それじゃダメですか?」
『……いや、十分だ。後は俺が確かなもんに変えてやるだけだ』
水城さんは奇襲した仕掛けた昨日の夜のようにあたしの頭にポンッと手のひらを乗っけると柔らかい表情であたしを見つめた。