干物ハニーと冷酷ダーリン
「いえ、……今後とも宜しくお願いしたいと思っていただけです」
頭を押さえつけられていて助かった。
目をみられれば見透かされてしまいそうだ。
『まぁいい。お前もさっさと仕事しろ。入稿日が迫ってんだ』
水城さんはあたしの頭を支えにして立ち上がると、営業部に続く階段へと消えて行った。
頭いたっ。
著しく脳細胞が死滅していった。
また雷が落ちる前にさっさと戻ろう。
仕事が何一つ終わっちゃいない。
残りのカフェオレを飲み干して、あたしも資料室へ戻った。
戻るとビックリ。
休憩しているのか、もしくは力尽きて撃沈してしまったのか黒崎さんがテーブルに伏してピクリともしない。
ここは任せろまがいな事を言っておきながらなんたる失態。
「黒崎さん、何してるんですか。早く再開しますよ」
白目をむいている黒崎さんに聞こえているのか定かではないけど、どやされるのは嫌なのであたしは己の身を守るため真面目に仕事をした。