干物ハニーと冷酷ダーリン
やっとの思いで自宅に着いて、そのまますぐに寝たのだろう。
ベッドまでたどり着かず、ソファーにいる俺。
そして、鳴り響いているスマホ。
完全に安眠妨害だ。
カーテンを締め切っている為、部屋は全体的に薄暗く時間の確認までは出来ない。
素直に時計で確認すると、針は12時45分をさしている。
まだ、昼時だ。帰ってきて4時間ほどしか経っていない。
と、思っているうちに鳴りやんだスマホ。
ああ、電話だったなぁ。
すると、また鳴り出すスマホ。
もしかして、何かあったか?
液晶には川本かなでの文字。
アイツは起きたのか。
起こされたのか。
仕事以外での電話はしない川本だ。十中八九何かしら問題がおきたに違いない。
『………どうした』
出たくはなかったが、仕事の事となるとそういうわけにもいかない。
"出たぁぁあ!!水城さん!大変です!助けて下さい!!"
思わず、耳からスマホを遠ざけてしまうほどの雄叫びに閉じかかっていた瞼が持ち上がる。