干物ハニーと冷酷ダーリン


『お前は、鍵を掛け忘れた事は何回ある?』


「鍵ですか?覚えてるだけでも5回ですかねぇ」


『家にいるのは、何時間だ?』


「水城さんがそれ聞きます?会社にいる方が長いに決まってるじゃないですか」


『洗濯物はどこに干してる?』


「そりゃあ、晴れてる時は外ですよ。乾くの早いですし」


『ついでに聞くが、下着は?』


「もちろん、外です!」


『平和すぎるだろ』



やべー。水城さん誘導尋問うめぇー。
うっかり、口が滑りに滑った。



『そんな奴が、一階に住んでみろ。犯罪の聖地だろ』


「今、話題の聖地巡礼さながらですねぇ……」




久しぶりに食べた後藤さんのビッグハンバーグは安定の美味しさでライスのおかわりまでした。


そして、バイトだという女の子が2人増えていた。


暫く来ないうちに、儲かっていたな後藤さん。



懐を肥やしてホクホクの後藤さんに見送れながら、再び戻ってきてしまった水城キャッスル。



途中で借りている倉庫に寄り、着替えと必要な日用品を持ってきた。



さて、今後どうするかと水城さんに淹れてもらったコーヒーを飲みつつリビングのラグで対策を練る。


入稿日明けで、連休もとれるし不動産巡りでもしようか。

即日入居できる所あるかなぁ?

会社からは、出来るだけ近い方がいいなぁ。

できれば、徒歩圏内がいいけど、、、、。


ああ、あと家賃とか敷金礼金も安めな所がいい。



スマホで物件検索をしてみるけど、なかなか条件がそろってるのはないにしろ、何かしら妥協すればそれなりにある。







< 301 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop