干物ハニーと冷酷ダーリン
『お前は、鍵を掛け忘れた事は何回ある?』
「鍵ですか?覚えてるだけでも5回ですかねぇ」
『家にいるのは、何時間だ?』
「水城さんがそれ聞きます?会社にいる方が長いに決まってるじゃないですか」
『洗濯物はどこに干してる?』
「そりゃあ、晴れてる時は外ですよ。乾くの早いですし」
『ついでに聞くが、下着は?』
「もちろん、外です!」
『平和すぎるだろ』
やべー。水城さん誘導尋問うめぇー。
うっかり、口が滑りに滑った。
『そんな奴が、一階に住んでみろ。犯罪の聖地だろ』
「今、話題の聖地巡礼さながらですねぇ……」
久しぶりに食べた後藤さんのビッグハンバーグは安定の美味しさでライスのおかわりまでした。
そして、バイトだという女の子が2人増えていた。
暫く来ないうちに、儲かっていたな後藤さん。
懐を肥やしてホクホクの後藤さんに見送れながら、再び戻ってきてしまった水城キャッスル。
途中で借りている倉庫に寄り、着替えと必要な日用品を持ってきた。
さて、今後どうするかと水城さんに淹れてもらったコーヒーを飲みつつリビングのラグで対策を練る。
入稿日明けで、連休もとれるし不動産巡りでもしようか。
即日入居できる所あるかなぁ?
会社からは、出来るだけ近い方がいいなぁ。
できれば、徒歩圏内がいいけど、、、、。
ああ、あと家賃とか敷金礼金も安めな所がいい。
スマホで物件検索をしてみるけど、なかなか条件がそろってるのはないにしろ、何かしら妥協すればそれなりにある。