干物ハニーと冷酷ダーリン


「………最悪、曰く付きでも良いか、、、?」



『いや、駄目だろ』


「…っ!うわっ!ビックリしたー!」




入浴中だったはずの水城さんがいつの間にやら背後に。

あたしの肩越しからにょろっと腕が伸びてきて、そのままスマホが取り上げられてしまった。


えー、それあたしの。
なんたるジャイアニズム。


自分家よろしくどっぷり寛いでいるあたしも水城さんの事を言えたものではない。

自分の事は、どっかり棚の上にひょいひょいあげてしまうのは、あたしだけではないはずだ。



仁王立ちしてスマホを操作している水城さんは、ドキッキュン展開などなんのその。
しっかり寝間着姿にシフトチェンジし髪だってしっかり乾かしている。

それでもTシャツの袖から覗く筋ばった腕が男の色気を感じさせる。


資料用に写真を撮ろうとするが、スマホが手元にないのだと思い出した。


くそー。なんたる不覚。とても素晴らしい被写体が目の前にあるのに、、、。



じとーと、水城さんの腕を凝視してみる。

あれー?水城さん腕毛がない?産毛もないんじゃない?
なにそれ、男なのにありなの?羨ましいじゃん。

あたしなんて、放置すれば産毛以上の毛が生えますけど。

なにこの差。イケメンあるあるなの?



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