干物ハニーと冷酷ダーリン
『……お前のご両親は厳しい方か?』
「…!ん?うへっ?、、、何ですか?」
腕ウォッチしてる最中、唐突に話しかけてくるもんだから、リアクションを間違えた。
それに、全く聞いてもいなかった。
ごめんなさい、ごめんなさい。怖いから上から見下ろさないで下さい。
『お前のご両親は厳しい方かと聞いている』
「うちの親ですか?、、、どちらかと言うとゆるいですかねぇ。まぁ母は口煩い所はありますけど」
・・・・・なぜ?
あたしもう成人してるし親の承諾なくてもアパート借りられますよ?
『……なら、同棲についてどれくらい理解がありそうだ』
「さぁ?なにぶん、そういった経験がないもので、、、」
水城さんは少し考える素振りを見せると一つ呟いた。
『まずは、挨拶にでも行ってみるか』
そうですねぇ。挨拶ですねぇ。大事ですものねぇ。
・・・・・だから、何故?
水城さんがあまりにナチュラルに言うもんだから、何事もなかったかのように流す所だったけど、結構重要な話だった気がするよ。
「なに、言ってんの?、、、ですか?」
突拍子のない事だと脳裏で判断したものだから、敬語がすっぽ抜けた。
つまりは、パニック状態である。