干物ハニーと冷酷ダーリン
第9話
源二と茂子
翌日、6時ちょっと前に鬼に叩き起こされた。
ご両親に連絡とれるかと聞かれ電話したら、父は休みで母は午後からなら家にいると言う事なので午後イチに挨拶に行く事になった。
それから、どこからか少し大きめなトラックを借りてきたらしい水城さんと大家さん宅に向かい挨拶を済ませると倉庫の荷物を荷台に積み込んでからあたしのアパートに向かった。
アパートの前に両手をブンブンと振っている変な人がいるなと思ったらそれは黒崎さんで、満面の笑みで迎えられた。
なんでこの人、こんなにテンション高いの?
まだ太陽だって1番高い位置に到達できていないというのに。
『やぁー!川本!おはよう!今日は絶好の引っ越し日和だね!』
眩しい。眩しいよ黒崎さん。
そんなに元気なら、仕事すればいいのに。
「おはようございます黒崎さん、、、どうしてここに?」
『どうしてって、そりゃ手伝いに決まってんだろ』
「それは、ありがとうございます。なら直ちにやりましょう。水城さんの顔がわりとヤバめです」
水城さんからの雷がうっかり落っこちないうちに、荷造りから運び出しを黙々と進めた。