干物ハニーと冷酷ダーリン
車内を汚さず、臭いが充満しないもの。
無難におにぎりを4つ。
お茶を二本。それと水城さん用に栄養補助食品ゼリーとガムを買った。
ここはあたしの奢りだ!
財布を渡されたが運転してもらってるわけだし、、、。
そもそもあたしの実家に行くわけだしね。
電話でもいいのに、融通が聞かないというかお堅いというか水城さんらしいっちゃらしいけれども。
その手間を考えれば2000円くらい喜んで出しますがな!
買い物袋をぶら下げ喫煙所に行くと水城さんは肩をグリグリ回しながら煙草を吸っていた。
水城さんはあたしに気付くと、すぐに喫煙所から出てきた。
「もういいんですか?」
『二本吸っといた』
ああ、そうなんですか。
戻ろうとしている水城さんにお財布を返して車に乗り込み再び出発。
あたしは遠慮なくおにぎりをむしゃむしゃ。
水城さんには飲み物とゼリー、ガムを渡してあるが一応おにぎりを食べるか聞けば、いらないと言われたので全部平らげた。
満足だ。お腹いっぱい幸せだ。
やることもなくなり、ポケーと景色を眺める。
ん?
「水城さん、ここで下りるんですか?」
地元県に着いたが、ここで下りると実家まで時間がかかる。
『ここからは電車で行く。その方が早い』
水城さんの用意周到っぷりには恐れ入る。
最寄り駅に車を停め、電車を乗り継ぎタクシーで実家まで移動。
あれよあれよと実家に到着。
しかも時間ぴったり。
怖い。何か怖いよ水城さん。