干物ハニーと冷酷ダーリン



「お母さん!それは無理無理!明日も仕事だし、むしろ今日休んだ事だって後々響くんだから」



「それじゃあ、今度はいつ帰ってくるのよ?去年の、、、いえ、一昨年、、いえそれ以上前よ!盆も正月も帰って来ないじゃない!」



「それはしょうがないでしょ。仕事なんだから」



「嘘よ!嘘うそ!26年も貴方の母親をやってるのよ!貴方の性格くらい熟知してるわ!どうせ面倒だから家に引きこもってるだけでしょ」


「なっ!、、、」


んで、、、それを!エスパー怖い。

確かに、4、5年は帰って来てないかも、、、。




『まぁまぁ、母さん。止めないか水城くんの前でみっともない』



と、有難い事にお父さんが間を割ってくれたのは嬉しい。
嬉しいけど、何で水城さんの後ろに隠れているの?


なにその構図。それこそ、みっともない。



『水城くんが困っているだろ』


どう見てもその原因の一つは父の行動だと思う。



「、、、そうね。仕事が大変なのも知ってるわ。なら、次はいつ帰ってくるのよ?」


「えっ、、いつと言われても、、、」


「今年のお正月は帰ってくるのよね?」


「えーと、んー、、、まだ未定かな?」


「ほら、みなさい!」


『母さん、落ち着いて。今年は水城くんがいるんだし言って聞かせてくれるさ、、、ね?水城くん』



とんだ親父である。
あろうことか、我が家の言い争いを水城さんに丸投げしやがった。

恥ずかしくないのか?

父の威厳をどこに落としてきた?



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