干物ハニーと冷酷ダーリン
『、、、、ここはもうお前の家でもある。好きにしてくれていい』
それ、男に普通聞くか?と右上あたりに心理描写が描かれているだろう表情の水城さんにこれ以上聞くまいと直ぐ様退散した。
凄い呆れ顔された。
あたしはちゃんと下調べをした。
一応、水城さんに配慮してあげた。
そしたら、あんな顔された。
まるで、職場にいる錯覚を起こしかけた。
たかがトイレ問題で。
なので、もう聞かずに好き勝手にすることにした。
あたしだって、ちょっとは恥ずかしかったのに。
そこんところの乙女心を分かってもらいたいものだ。
引っ越しと言っても、私物が少なかったためそう時間はかからず短時間であらかた片付いた。
見事に殺風景な部屋のできあがり。
ベッドにテーブルくらいしかない。
ベッドに至ってはマットレスも布団もない。
座布団もないからテーブルで作業するにもお尻がヤられそうだ。
早急にいろんな物を買いにいかないと。
めんどくさいけど、致し方無い。
あぁ、こんな事なら実家から寝袋くらいもって来れば良かったと思っていると、夕飯が出来たようで水城さんが呼んでいる。
全く、どっちが彼女かわかったもんじゃないな。
と、思いながらも美味しい水城さんの手料理ご飯をすべて平らげた。ついでに白米のおかわりまでした。