干物ハニーと冷酷ダーリン


なんとなく、水城さんに呼ばれた気がした。

だけど、疲弊しきっている身体は動いてくれなくて夢だったのだと都合のいい解釈をした。



目が覚めて1番に視界に入ったのはテーブルの脚だった。


何故?


ゆっくりと身体を起こすと背中側にはソファーがあり落ちたのだと理解した。


そして身に覚えのない毛布。


寝てるうちにクローゼットから引っ張り出してきたんだろうか。

そんな訳ない。
そんな器用な事、できるわけない。

そんなん出来るくらいならベッドに行ってるわ。



つまりは水城さんが掛けてくれたのだ。


だって、さっきっから超視線を感じる。
無言だけど、お化けとかじゃない限りそこに居るわ水城さん。




ひょいっと頭を動かせば、ダイニングテーブルにノートパソコンを置き仕事をしていたのだろう水城さんがめちゃくちゃこっちを見ていた。




帰って来てた。
泊まりじゃなかった。
いつ帰ってきた?
ってか、今何時?23時19分だ。


「、、、おかえりなさい」



『ただいま』



凝視して動かない水城さんはもしかして目を開けたまま寝てるのかもと思ったけど起きてた。


もし、そうだったら恐怖でしかなかった。
起きててくれてありがとう。
そして、毛布も有難うございます。



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