干物ハニーと冷酷ダーリン
「寝ないんですか?」
いつ帰って来たのか存知ませんが、水城さんは相当お疲れになっている。
こっちをずっと凝視したまま動かない。
脳機能が半分以上やられているに違いない。
ついでに瞬きもない。
怖い。
『これが終わったらな』
左様ですか、、、、。
ならば、さっさとやればいいのに、、、。
あっ。
「コーヒー、入れましょうか?」
この言葉を待ってた?
だったら言ってくれればいいのに。
コーヒーくらいは入れられるよ。私だって。
暖かい毛布から抜け出し、使い勝手がよく分からないキッチンへ。
『いや、いい』
「は?」
『あ?』
そしたら、いらないときたもんだ。
つい出てしまった声にお返事まで返ってきた。
すみません。
立ったついでなので自分のコーヒーを入れよう。
今日、ケトルとコーヒーを見つけてよかった。
ドリップは面倒なのでインスタントにした。
これも水城さんのだけど勝手に使った。
『お前に聞きたい事がある』
「何ですか?」
これもまた勝手に水城さんのマグカップを拝借しお湯を注いでる途中に話しかけてくるもんだから少しこぼした。