干物ハニーと冷酷ダーリン


あっ!そう言えば。

腹いせで思いだし1度自室に戻り、アレを持って水城さんに差し出した。



『何だ』

「領収書です」

『何の』

「お菓子です」

『・・・・』

「・・・・」

『・・・・』

「・・・・」


さっと背中に隠した。

無言で領収書とあたしを交互に見てくるもんだから無かった事にした。

また、へらりと笑っとけば真顔で返ってきた。


行き場を無くした領収書。
とりあえず、冷蔵庫に貼っておいた。



それからは大人しくなるべく気配を消して水城さんの仕事の邪魔にならないように、コーヒーを啜り続けた。



あれ?あたし一応彼女。

それも結婚を前提としているらしい彼女。


これじゃ場所が違うだけで仕事と変わらないじゃないか。


世の同棲している恋人たち。
同棲生活とは何ぞや?
教えて欲しい。




「、、、寝るか」


『はい』



別にたいして眠くもないけど、むしろ1度寝たから眠気すらないけど、水城さんが寝るみたいだから添い寝してやろう。


どうよ。
同棲っぽいだろ。



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