干物ハニーと冷酷ダーリン
バシャバシャと冷水でグチャグチャになっている酷い顔を洗い流し、新しいタオルを出すのが面倒くさいので洗濯かごに入ってた多分水城さんが使ったであろうバスタオルで水気を拭った。
まだ何時間か前に使ったバスタオル。
あたしの中では綺麗だと思ってる。
違うかな、、、いや。綺麗だよね、、
綺麗にした身体を拭いたタオルだもん。
あたしは本来バスタオルは2日使う派だ。
そっとバスタオルをカゴに戻し、キッチンに戻ろうとすれば冷めた目をしてジッと見てる水城さんが洗面所入口に立っていた。
「・・・まだ綺麗です」
『ああ、そう』
何しに来たんだよ。
水城さんはそれだけ言うとまたキッチンに戻り、温かい紅茶をいれてくれた。
自分はコーヒー。
あたしは紅茶、それもまだティーパックが入っているまま。
『あと1分』
そう言ってソファーに座る水城さんに、やってくれるのなら最後までやって下さいと言いたかったけど大人なあたしだから言わないでおいてあげた。
しっかり1分、紅茶と向き合いマグカップを持って水城さんの隣に座る。
「目が覚めましたね」
『・・・だな』
「コーヒー飲んで寝れますか?」
『泣かれるよりは寝れる』
「・・・すみません」
2人してボーと何をするわけでも話すわけでもなくただそこに座ってるだけ。
多分水城さんからは聞いてこない。
あたしが話すのを待ってる。
水城さんはそういう人だ。