干物ハニーと冷酷ダーリン


「黒崎さん、高橋さんの事………本気だったんですね」


ここまでくると、それを認めざるを得ない。
36歳の男がこんなにもなるなんて、恋は盲目と言うか、

そもそも、この短時間に何が?って感じなんだけど。

まぁ、恋はするものじゃなくて落ちるものって言うし。

黒崎さんの場合、奈落の底まで落ちてそうだけど。


なんと言うか、ただただ残念としか言いようがないと言うか、ホント慰める言葉が出てこなくてごめんなさい。





『…俺はね、本気だったんだ』


「……黒崎さん、、、」



『俺ね、自慢じゃないけど小中高とこう見えてもモテる方だったんだ』


「……はい」


お顔立ちは、整ってる方だと思いますよ。
若く見えるとかじゃなくて、年相応にいい歳の取り方の見本だと言えるくらいでしょうか。



『だからさ、俺まだいけるんじゃないかって自惚れてたんだ。川本が俺に見向きをしないのは、川本がおかしいからであって、俺の実力はまだ衰えてないんだってさ』


「………はい?」


『そしたらさ、高橋さんも見向きもしないだろ?高橋って、普通の女の子なのにどうして?ってさ!』




何だか、雲行きが怪しい上にまたディスられてる気がするのはあたしだけだろうか。






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