干物ハニーと冷酷ダーリン
『いつもと変わらず、忙しそうだね。ご飯ちゃんと食べてるのかい?』
『何年もこんな感じなんで、慣れますよ』
『まったく君は。自分の体をもっと労りなさいよ。編集者が大変なのは分かるけどね、健康第一だよ!』
『分かってますよ。………シーフードカレーお願いします』
店内にはちらほらとお客の姿があり、本を読んでいる人、書き物をしている人、静かに会話を楽しむ人、各々好きな事をして過ごしている。
静かに時が過ぎるこの感じが、程よくリラックスできる最適な場所。
確かに最近は、忙しすぎて家には寝に帰るくらいだったからな。
こんな仕事、よく続いてきたなと自分でも思う。多分これから先も続いていくんだろうけど、そうなると俺はきっと早死にするタイプだろうな。
『ああ、そうだ水城くん。君の出版社ってダンテだったっけ?』
シーフードカレーを運んできた後藤さんから、それを受け取る。