干物ハニーと冷酷ダーリン
「後藤さん、生クリームこれで良かったですか?正直、他のやつと違いが分からなかったので適当に買ってきちゃったんです………けど……?って、水城さん!?」
後藤さんが言っていた事が今、分かった。
振り返らずとも聞き慣れた声に、自分の名前を呼ばれれば、それは外しようもなく川本だと分かる。
『………っ!何だお前、その格好は!』
知らない者でもないし、何かやましい事があるわけではないので、振り返ってみたらど肝を抜かれた。
あろうことか川本は、寝間着ではないだろうかと思われる服装に足にはサンダルを引っ掛けている。
おまけに、頭は寝起きですと見事に主張している寝癖をくつけていた。
「…へっ?格好ですか?…………おかしいですかね?」
きょとんっと、首を傾げる川本。
はっ?…ちょっと待ってくれ。
俺がおかしいのか?