女嫌いと男性恐怖症
「眠れないんです」
「そりゃ昼に、あんだけ寝ちまえばな」
晶の呆れた声に、遥は首を振る。
「夜が、一人がこわいんです」
だからって、俺と寝るとでもいうのか。
寝るって。
ドクンと早まった鼓動に、だから俺には男のサガとかそういうものは。
と、心の中から、動揺を追い出す。
下を見るとチビの頭が見えて、こんなクソガキに何を思ってるんだか。と、嘲笑した。
それにしたって、部屋で寝るのはまずいだろ。
仕方なく、リビングに引き返した。
指差してソファに座るように指示すると、ひざ掛けをかけてやった。
さすがに、夜にはこれじゃ冷えるか。
「自分の部屋の毛布を持ってこい」
その言葉に理解したらしく、ピコンと任命されたロボットの様な動きをして毛布を取りにいった。
だから、なんだよ。あの動きは。
遥のたまに出るロボットみたいな動きに笑うと、俺もどうかしちまったな。と、ソファに座った。