女嫌いと男性恐怖症
遥は奮闘しながら、毛布を持って戻ってきた。
チビの遥には、普通のサイズの毛布が余りあるほどに大きい。
それをソファに丸くなった遥にかけると、遥はまだ不満そうな顔をした。
「アキは、どうするんですか?」
「寝るまでここにいれば、不満はないだろ?」
これ以上は無理だという固い意志を感じたのか、遥は何も言わなかった。
一人の夜が嫌だなんて、どこまでガキなんだか。
「やっぱり、猫でも飼った方がいいか?」
毎晩こんなのに付き合わされたらたまらない。
返事の代わりに、スースーと規則正しい息遣いが聞こえ、そちらを見ると、気持ち良さそうな寝顔がそこにあった。
本当に眠れなかったのかと、疑いの眼差しを送る。
それでも寝たことに安堵すると、自室に戻ってスマホを手にした。