女嫌いと男性恐怖症
第2話 筋金入りの女嫌い
リビングに残された二人は、陽菜の淹れたコーヒーを飲む。
「でも驚きね。大丈夫かしら。あの二人」
「大丈夫だろ。本当に嫌なら、あいつだって断るさ」
コーヒーの香りを楽しみながら口をつける直樹に、陽菜は呆れ顔でつぶやく。
「だって私、晶くんと今日だけで、1年分くらい話したわ」
直樹の恋人だと紹介されてからも、結婚してからも、必要以上に話したことはなかった。
直樹の仕事仲間で友達の晶とは、少なからず仲良くなりたいと思っていた。
しかしそんな思いも、早い段階で打ち砕かれるほどの女嫌いだった。