女嫌いと男性恐怖症
第17話 穏やかな時間と不快な時間
コンコンッとドアをたたく音に、眠い目をこすった。
ついさっき寝た気がしていたのに、もう朝のようだった。
カーテンの隙間から、穏やかな光がこぼれている。
ドアを開けると、ばぁっと明るくなる顔があった。
晶がどこかへ行ってしまわないか、まだ心配していたのか。
「もう朝ですよ」
遥は嬉しそうにそれだけ言うと、部屋にいたことに安心したように、リビングへ行ってしまった。
それにしても、晶は眠かった。
昨日あれから、どうしてか、かわいい寝顔だったな。と思い出してしまっていた。
何がどうかわいいっていうんだ。
散々昼寝してるのを、見てるじゃないか。
などなど、考えなくてもいい考えが浮かんでは消え、全く眠れなかった。
いつものようにココアを飲みたくても、リビングなんて通りたくなかった。
もっと余計な考えが、浮かぶに決まっている。
そう決めつけて、延々と天井を見つめ、時間だけが過ぎたのだった。