女嫌いと男性恐怖症

 ダイニングテーブルにつくと、眠そうな晶とは対照的に、いつも以上に元気な遥が朝ご飯の準備をしていた。

「よく眠れたようで、何よりだ」

 なんとなく嫌味を言いたくなって、不機嫌な声が出た。

「アキは、眠れなかったんですか? 今日は私が寝るまで、側にいましょうか?」

 なんでそうなるんだよ。
 こいつの思考回路と、男性恐怖症はどうなってんだ。

 寝不足に加え、遥の到底理解できない言動に、晶は自分の方の思考を停止することにした。

 変わらず美味しい和食の朝ご飯に、まぶたを重くすると遥がフフフッと笑う。

「本当に眠そうですね」

 誰のせいだと思ってるんだ。
 返事をする気も起きず、ムスッとそっぽを向いた。

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