女嫌いと男性恐怖症

 気がつくと、テーブルにもたれて眠っていた。
 肩にはひざ掛けではなく、毛布がかかっていた。

 背の高い晶に、ひざ掛けでは足りないと思ったのだろうか。
 チビの遥が大きな毛布をかけるところを想像すると、つい笑顔になる。

「起きられました? 気持ち良さそうに寝てると、起こせないって分かる気がしました」

「いつもと逆だな」

 小さくつぶやいた声は、届かなかったのか「コーヒー淹れますか? 後の方がいいですか?」と聞かれた。

「今もらおう」

 待ってました! と、ばかりに取り掛かった遥に目を細めた。

 女とは思えないが、小動物的にはかわいいかもな。
 晶は、そんなことを思っていた。
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