女嫌いと男性恐怖症

「アキの女嫌いも、筋金入りだからな。まだ陽菜に対しては、好意的な方なんだぜ」

 陽菜は、ふぅとため息をついた。
 対照的に、直樹はあっけらかんとしている。

「大丈夫だって。仕事では棘があるけど、女の人の対応はしてるし、それよりアキの態度も見ただろ?」

 確かに言われたからといって、自分から女の人にあんなに近づいた晶を、見たことがなかった。

 陽菜が二人から離れたのは、晶の女嫌いを知っていて、自分が近くにいてはいけないと遠慮したせいでもあるほどだ。

 そんな晶が女の子と二人。

「だいたい、晶くんのとこに住めばいいなんて」

「どう見たって、訳ありだろ? 女の子があんなボロボロで倒れるんだから、帰るところもないんだろ」

「まぁ」とつぶやいて、やっぱり勘はいいんだから。職業柄かしら。

 と、感心したような呆れたような視線を送ってから、陽菜も冷めてしまったコーヒーを飲み始めた。

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