女嫌いと男性恐怖症
そのまま、また眠ってしまったらしかった。
寒っと身震いをして目を覚ますと、体に毛布がかけられていた。
え? と、思って飛び起きる。
いつもの二人掛けのソファの端に、小さいのが座っていた。
「ど、どうした?」
「直樹さんがもう帰ったらって」
帰ったらって、言われて帰れるもんだろうか。
昨晩の出来事は、夢か?
そんな気持ちにさえなる。
「あの。私が勘違いしてただけって分かったので。すみませんでした」
勘違い。
直樹は、どうやって言い含めたのだ。
あの完全なる拒否から、普通にマンションに戻ってこれるほど。