女嫌いと男性恐怖症

 直樹の家を出た帰り道。

 何故かピョコピョコとあとをついてくる、自称23歳の女。

 晶は振り向きもせず歩く。

 直樹に言われたからって、こいつどうかしてる。
 だいたい、男性恐怖症なんだろ?

 そんな疑問が、後から後から湧いてくる。

 それに俺もどうかしてる。
 断ったって、良かったんだ。

 正確には断ったはずだったが、こいつがついてきてるだけで。

 立ち止まると、冷めた視線を送る。

 別に走るなりなんなりして、撒くことは簡単だ。
 なのに、それをしない俺もどうかしてる。

 立ち止まった晶を見上げた瞳と、目が合った。

「おい。お前。俺は男だぞ。いいのか? 分かってんのか?」

「あの、晶さんはいいんでしょうか。あたしは」

 遥の言葉に、顔をしかめた。
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