女嫌いと男性恐怖症
「だいたい、買いに行くならメンズショップだ。分かるか? 男しかいない」
晶としては、外に行ったとしても、前はなんとかなるつもりでいた。
何かあれば、守れるなんてくらいに。
笑えてしまう。
守るどころか、俺自身が爆弾だったじゃないか。
何がスイッチになるか分からない。
今の晶には遥に何かあっても、どうにかできる自信が微塵もなかった。
「ほら」
早い段階で遥にリクエストは諦めた晶が、遥の前にオムライスが盛られた皿を置いた。
子どもと言えば、ハンバーグにオムライスだろ。
ウッと珍しく変な顔をした遥に、苦手だったか。と、横目で観察する。
それでも何も言わない遥に、晶も何も言わなかった。
リクエストしないやつに、文句を言う資格はない。