女嫌いと男性恐怖症

「はい。これ。痛み止めの薬よ。薬が効いてこれば、少しは楽になるわ。生理痛ひどいのね。こういう時は甘えた方がいいわ。といっても、晶くんには言いにくかったわね」

 渡された薬を飲むと、遥はまた横になった。
 そして、戸惑ったように口を開く。

「ずっと来なかったんです。小学生の頃に何度か来て以来」

「そう。それじゃ驚いたでしょ。また何かあったら連絡して。そっか。遥ちゃん連絡する手段が晶くん経由でしかないわね。何か考えなきゃね」

 優しく微笑むと頭を撫でた。
 女の子の必需品を、ある程度は持たせてあげていて良かったわ。

 ナプキンを晶くんが買いに行くなんて、到底できないわよね。

「少し寝た方がいいわ。晶くんには大丈夫って伝えておくから」

 遥は安心したような顔をして「ありがとうございます」と、小さく言うと目を閉じた。

 これは、どうしたものかしら。
 私が生理について晶くんと話し合うなんて、ハードルが高過ぎるわ。

 かと言って、直樹から話せる内容でもないし。
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