女嫌いと男性恐怖症
シングルのベッドに、長身とチビが一人ずつ。
いくらお互いに細身だとしても、そもそもがシングル。
どんなに距離を取ろうとしても、無理な話だった。
おかしい。
俺は一定の距離を保って、過ごすつもりだったんだ。
なのに距離ほぼゼロって、どういうことだ。
だいたいここで寝るって、別に一緒のベッドでなくてもいいはずだ。
そう頭をグルグルさせる晶は、さきほどの会話のあとに「もう勝手にしろ」とベッドに入った。
それがいけなかった。
まさか、そんなことするとは思わなかった。
遥がその後に続いて、ベッドに入ってきて現在に至る。
「アキは、女嫌いで生きづらくはないですか?」
今は、息がしづらい。
動揺と緊張で。
意味不明な思考回路に、嫌気がする。
それでも、それを悟られないように口を開く。
「それよりも、いくらなんでもこの状況はやっぱり変だ。ここで寝るのは、百歩譲ってやる。だが、ここからは解放してくれ。」
ムクッと起き上がると、パソコン用の椅子に体を滑り込ませた。