女嫌いと男性恐怖症

「だいたい病気、ではないかもしれないが、体調はよくないはずだ。ちゃんと自分の部屋で寝た方がいい」

「アキが、一緒じゃないなら嫌です」

 なんでこんなに頑固なんだ。

 頭をかかえ髪をクシャッとしてみたところで、答えはみつかるわけなかった。

 仕方なく、視線を遥に向ける。

「何が心配なんだ。言ってみろ」

「心配」

「なんか不安があるから、一人じゃ眠れないんだろ?」

 沈黙をしばらくの間、待つ。

 晶のズボンの端をつまんだままの手は小さくて、のぞいている腕も華奢で頼りないほどに細い。

 コロつきの椅子を転がし、ベッドの側に行く。
 そしてそれをそっと持ち上げると、毛布の中にしまってやった。
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