女嫌いと男性恐怖症
電話が鳴って、呼吸を整えてから出た。
直樹だった。
「なんだ。今日は来ないのか?」
「いや〜。また仲良くしてるところに、邪魔しに行っちゃ悪いからな」
ククッと愉快そうに笑う直樹が、憎らしく思える。
確かに、さっきのなんか見られたら最悪だ。
「でな、陽菜が「遥ちゃん体調悪くて心配だから晶くんに家での仕事も休んでもらったら?」だとよ。風邪か? 大丈夫か?」
さすがに直樹には、体調の本当の理由は伝えてないらしい。
それは、晶にとってもありがたかった。