女嫌いと男性恐怖症

「そうか。ハルは幾分いい。でも仕事は大丈夫か? まだ手をつけてないのが、ずいぶんあるが」

「あぁ。それは陽菜が、代わりに出勤するってよ。晶に遠慮して来てなかったが、遥ちゃんが心配だから、それなら私が出社するわ。って」

 今までも、仕事を手伝ってもらってはいた。

 ただ事務所に来られるのは、晶が耐えられない。
 直樹が外に出てる時に、事務所で二人っきりなんて無理だ。

 それを陽菜の方も、遠慮していた。

「でも遥ちゃんとは、二人っきりで暮らしてるのにな。おっと口が滑った」

 直樹はハハハッと乾いた笑いをあげて、楽しそうだ。

「もうその手のからかいは、飽きたぞ。じゃ俺も用事があるから、残った仕事を事務所に持って行こう」

「遥ちゃんは大丈夫なのか?」と心配する直樹に「大丈夫、だと思う」と、曖昧に返事をした。

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