女嫌いと男性恐怖症
リビングに行きたくない気持ちを引きずりながら行くと、遥は朝ご飯を作っていた。
ホッとして、何も無かったようにダイニングの椅子に腰掛けた。
晶の前に、コトッと湯のみが置かれる。
「生姜湯です。声が少しかすれています。風邪は、ひき始めが肝心ですから」
夜風に、当たったせいか。
自分でも気づかなかったが、指摘されて喉の違和感を覚える。
温かくトロッとした生姜湯は、体がポカポカとした。
「私も」と座った遥も、湯のみに口をつけた。
「今日は、事務所に行こうと思っている。ハルはどうする?」
おとなしく留守番する。と、言うだろうという思いは半々だった。