女嫌いと男性恐怖症

 悩んでいる遥は「うーん」と、言った後に口を開く。

 控えめに。
 けれど、内容は半端ない内容を。

「朝のハグって、もうおしまいですか?」

「アチッ!」

 手元が狂うと、生姜湯を急激に流し込み過ぎていた。
 お手ふきをもらい、顔を拭く。

「いい加減にしてくれ。勘弁しろよ。あれであんなのは、微妙だったってことくらい分かっただろ」

「微妙って、ハグの仕方が微妙ってことですか?」

 今度はゴホゴホと咳き込むことになると、自分の頭に手をやって、ため息をつく。

「仕方とか、そういうことを言ってるんじゃない。あんなのするもんじゃない」

「するものじゃなかったら、なんですか? 食べるものですか?」

 こいつ。
 こんなに、会話できないやつだったか。

 たまに、意味不明になるんだ。
 どうしろって言うのか。
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