女嫌いと男性恐怖症

「不安なんです。アキは普通だから」

 今度は、なんだっていうんだ。

「普通ってどこがだ。俺の女嫌いは筋金入りだぞ」

 遥は、じゃ私は。と、聞きたいのを飲み込んだ。

 生理まできてしまって、しかもそれを知られてしまった。
 いつか、アキの女嫌いの中の女に入ってしまわないのだろうか。

 もちろん女嫌いだからこそ、安心できることがたくさんある。

 でもそれは「自分以外の女が嫌い」だった場合。だということに、遥自身も気づき始めていた。

「分かった。今日の予定は女がいそうな所に行こう。ハルが好きな所でいい。その方が過呼吸とかの心配はないからな。それで俺の心の声を教えてやるよ」

「心の声?」

「フッ。まぁ後のお楽しみだ」

 晶は意味深に笑って、冷めてしまった生姜湯を飲み干した。
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