女嫌いと男性恐怖症

 ハルを避けたように感じるのは、女のハルが嫌なわけじゃないんだ。

 あの蔑んだ瞳を思い出すと、ハルが怖いんだ。
 なんて言えない。

「ハルも男性恐怖症だろ。俺は女嫌いだが。やっぱり俺たちは、似た者同士なんだろう。互いがダメなものなのに、大丈夫っていう変な間柄だ」

 変な関係。
 そう。ただそれだけだ。

「ハルは、俺のことを男と思えない。まぁたまに思うかもしれないが、大丈夫だ。そうだろ?」

 腕の中の小さいのが、コクンと頷く。

「俺もハルのことは、小学生のクソガキだと思ってる。たまに女だったなって、思い出すけど」

「もう! 昨日からクソガキってなんですか?」

 わざわざ顔をあげて、文句を言う遥を見て笑う。
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