女嫌いと男性恐怖症
それでも。と、口を開いた。
「昼飯は軽くにしよう。さっき見た店で、気になる店があったんだろ?」
え? と、振り向く顔は、驚きの色が混ざりつつも嬉しそうだ。
「気づいて」
フッと笑うと、馬鹿にしたような口ぶりで話す。
「あんなに張りついて見てたら、誰だって気づく。それとも今日は疲れたんなら、別の日にしておくか?」
俺が行こうって言うなんて、似合ってなくておかしいんだろう。
それは、分かっている。
その店は、可愛らしいパンケーキのお店だった。
以前なら、女しかいないあんな店は、可哀想な男が連行されていく場所だと思っていた。
それでも。
「行きたい! です。じゃお昼は軽めで、急いで準備します!」
またもや嬉しいことを任命されたロボットが、ピコンッと音を立てて動き出したようだった。
もちろん晶はそれを見て、遥にバレないように優しく微笑んだ。