女嫌いと男性恐怖症
第27話 温もり
いや。そうじゃないだろ。
服は、着てる。
昨日は、どうしたっていうんだ。
寒そうに丸まる遥を、できるだけ見ないようにして布団をかけてやると、晶はリビングに向かった。
時計の針は、5時を少し回ったところだった。
静かな部屋で、時計の音がいやに大きく響いているように感じる。
クソッ。まだ5時か。
こんな時間に、起きるなんて。
俺は、何をやらかしたっていうんだ。
遥が起きてきて、昨日のことを全て教えてもらいたいような、何も聞かずに知らないふりをしておきたいような。
まだ眠いはずなのに、頭がグルグルとして眠れない。
昨日から、冷え込んだようだった。
底冷えする寒いリビングの、エアコンをつけた。
それで、布団を出したのか。
そんなどうでもいいことは、合点がいった。
そのくらい簡単に、一緒にいたことが明確になればいいのに。
全く思い出せない晶は、ソファでうなだれた。