女嫌いと男性恐怖症
「そんなこといいんです。でも、ハルのお母さんは、どんな目をしてるんでしょうか。コブ付きのって、私のことアキがお付き合いされている女性の子どもとでも、思ったんでしょうか」
プリプリ怒る遥にククッと笑うと、余計におかしくなって、アハハハッと大笑いに変わった。
「どっからどう見てもクソガキだ。そこはクソババアにしては、正しい判断だったな」
アキまで! と、憤慨する遥の頭を抱きしめたままグリグリ撫でた。
クソババアのことで、こんなに笑えることがあるなんてな。
おかしくてなのか、嬉しくてなのか、涙が出そうだった。
「ほら。もう朝飯にしよう」
軽々と遥を抱き上げると、ソファから降ろして立ち上がる。
下から悔しそうな視線を感じて、首を傾げた。
「アキが軽々と持ち上がらないくらいに、なってみせます」
ボソッと言い残した遥に、思わず笑う。
お前が目指すものは、どんなか教えてもらいたいわ。
腹を抱えるほどの大笑いに変わった晶を見て、遥はますます不機嫌そうにキッチンへと向かった。