女嫌いと男性恐怖症

「拗ねた覚えはないが、今まではそんなの見せるの直樹くらいだ。今は、たぶん直樹以上に、ハルには甘えてるだろう」

 そうさ。
 酔っていたからと言って、「一緒に寝てくれなきゃ嫌だ」なんて、言うほどに。

「ほらできたぞ。ハルはリクエストした試しがないな」

 遥の前には、ホットサンドとコンソメスープ、サラダが置かれた。

 パンとパンの間からはみ出している、溶けたチーズからは湯気が出ている。
 もちろんコンソメスープからも。

「フフッ。いいんです。アキのご飯は、いつも美味しくて大好きだから」

 無邪気な「大好き」の言葉に、ドキッとする自分に嘲笑した。
 ただの、クソガキの言葉じゃないか。

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