女嫌いと男性恐怖症

 長い脚を組み、腕も組んで何かを考えている。

「同じって。アキ、の女嫌いがですか?」

「あぁ。そうだ」

 自分のことを詮索されるのは、嫌いだった。
少し不機嫌な声が出る。

「どうして、女嫌いなんでしょうか。」

「俺のことはいい」

 ますます不機嫌な声が出た。

「すみません」

 見るからにしょんぼりしてしまった遥を面倒くさそうに見てから、考えをまとめる。

 とりあえずは写真も映像も大丈夫なら、過度に心配して男を排除しなくても大丈夫そうだ。

 写真さえもダメなら、色々なものを出しては置けない。

「ハル。仕事は」

 言いにくそうな顔をして、うつむいて口を開く。

「男の人がダメで、仕事が続けれなくて」

 まぁそんなことだろうとは、思っていた。
 直樹が近づいた時の態度からして、無理だろう。

 しかし何故、俺は大丈夫なのか。

「俺は明日、少し出かける。ハルは外に行かない方がいいだろう。家にいたらいい」

「はい。すみません」と小さく言って、黙ってしまった。
< 21 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop