女嫌いと男性恐怖症

 目が覚めると朝だった。

 開けっ放しのカーテンの窓からは、まぶしい朝日が降り注ぐ。

 水の中から世界を見ていたような、もやがかかったような世界ではなかった。

 まぶしかった。

 ホテルの部屋を出ると、清掃のスタッフとぶつかりそうになる。

 チッ。朝から、女にぶつかりそうになっちまったぜ。

 当たり前に浮かんだ思いに、笑った。

 ハッ。そんな気持ちさえも忘れてたな。

 晶の見る世界に、彩りが戻っていた。
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