女嫌いと男性恐怖症
深夜、なんとなく寝付けなくて、天井を見つめていた。
すると、キッチンの方へ歩いていく足音が聞こえた。
晶もベッドから体を起こし、キッチンへと向かった。
「なんだ。眠れないのか。」
遥は晶のかけた言葉に、ビクッとして振り向いた。
「すみません。起こしてしまいましたか?」
晶は首を振った。
「いや。寝れなかっただけだ。俺たちは似た者同士らしい」
女に似た者同士なんて言うなんて、俺はどうかしていたのかもしれない。
つい思ったことが、口を出てしまっていた。
「私は、あ、いえ僕は。アキみたいに強くありません。アキは女嫌いでも、ちゃんと仕事もしていて普通に生活をしています。でも僕は」
夜は人を、不安にさせるのかもしれない。
それとも、初めての場所だからだろうか。
遥がここに来て、初めて怯えているように見えた。