女嫌いと男性恐怖症

「じゃどうするつもりだったんだよ」

「どうって」

 クククッと笑っている直樹に、さすがに腹が立ってきた。

 はぁと椅子に座って、背もたれにもたれかかる。
 ギィーと小さな音がした。

 いつもの自分の部屋に、ホッとするとつぶやくように口にした。

「女って、スゲーわ」

 晶の言葉に、さすがの直樹も驚いた声を出した。

「なんだ。アキから、女を賞賛する言葉が聞けるとはな」

「そんなんじゃない。嫌味だ」

 沙織といい、遥といい、自分の一歩先を行っている気さえした。

「男なんて、女に敵わないのさ」

 実感のこもった声に、晶も苦笑しつつ同意した。

「あぁ。本当だな」

 今日は休んでもいいぞ。と、言う直樹に意地でも行く。と伝えて電話を切った。
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