女嫌いと男性恐怖症
第33話 ハンバーグ
晶は仕事を切り上げて、早めに帰ることにした。
直樹はニヤニヤしていたが、それに対しては冷たい視線を向けておいた。
食材を買い終えると、マンションに帰る。
しーんとした部屋は、まだ遥が帰っていないようだった。
それなのに。
遥が出ていってから、ここにいられなかった。
誰もいない部屋は、世界で自分が一人だけだと言われている気がした。
なんて大袈裟なんだと、鼻で笑う。
今なら鼻で笑える。
その時と同じ、しーんとした部屋。
それなのに、今は遥が帰ってくる。
それだけで、ここにいたいと思う。
やっぱり俺は、どうかしちまったらしい。
あのチビでクソガキのハルが、一番大切らしい。
それでも、やっぱりクソガキは、クソガキだ。