女嫌いと男性恐怖症

 静かな食事が始まる。
 遥がいて嬉しいはずなのに、なんとなくむくれてサラダを食べもせずにつつく。

「お行儀が悪いです」

 ボソッとつぶやく遥に言い返すことができず、仕方なく口に運んだ。

 ガキだからハンバーグだろって、言える雰囲気でもねぇしよ。

 遥は嬉しいのか美味しいのか、分からない顔で食べていた。

「婚約者の方のことを、聞いてもいいですか?」

 おもむろに口を開いた遥の口からは、聞きたくない言葉が出てきた。

「飯が、不味くなる話をしたくない。」

 不機嫌な声を出した晶に、遥は黙ってしまった。

 ダメだ。
 これじゃ、前と変わらないじゃないか。
 クソッ。
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