女嫌いと男性恐怖症
「痛いです」遥の小さな声に「あぁ悪い」と腕を緩めた。
それとともに、遥が口を開いた。
「その、今のままのハルって、アキにはどんな私なんでしょう」
そこまで言わなきゃダメなのか。クソッ。
これはまた、何かの仕返しとかじゃねーだろうな。
疑いたい気持ちが、むくむくと心に浮かんだが、仕方なく口を開く。
「クソガキだろう! 何度も言っている。後は小動物か、おもちゃのロボットみたいだな」
ダメだ。
もうこれ以上、何を言えって言うんだ。
遥は晶の言葉を反復して、自分の中で噛み砕く。
そうか。
アキも女嫌いだから、大人なそういう男女の関係みたいなのが苦手なのかもしれない。
だから、私は大丈夫なんだ。