女嫌いと男性恐怖症

 歩きながら、何をプレゼントにするか話し合う。

「指輪はどうだ? まだ男性恐怖症が心配だ」

 心配。と、普通に発言する晶に、遥はニコニコした笑顔を向ける。

 どうしたんだろう。
 アキが、すごく優しい。

「どうして、男性恐怖症だと指輪なんですか?」

「右薬指につけると、恋人がいるっていう意味らしい」

「恋人」

 戸惑ったような声を出す遥に、慌てて訂正する。

「バカ。男避けだ。変な意味じゃない」

 その言葉に、安心した顔をする遥にホッとする。

 どんだけ必死なんだ俺は。
 そう苦笑しながら。

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