女嫌いと男性恐怖症
他の物も見られるようにと、二人はデパートに来ていた。
装飾品が置いてある階は、男が少なくて晶は安心した。
「ほら。良さそうなの見てみろよ」
言われてショーケースの中を見てみても、まばゆくきらめいているそれらに、遥は気後れして晶を見上げる。
その様子に、晶はククッと笑った。
「やっぱガキにはまだ早かったか」
外に来てまで言われた、『ガキ』というフレーズに遥の頬がむくれた。
よっぽどご機嫌斜めのようだった。
そっぽまで向いている。
そこへ店員が来て、にこやかな笑顔を向けられた。
「どのようなものをお探しですか?」
「あぁ。こいつの就職祝いなんだ。でもまだ早いみたいだ」
店員の前なのに、まだククッと笑っている晶に、遥の頬は余計に膨れる。
「まぁ素敵ですね。早いだなんて。色々とございますので、きっと気に入られるのがございます」